■ 白内障 Q&A

手術は安全ですか。
白内障の手術は手術のなかでもかなり安全なものとなってきました。
しかし、手術である事に変わりはないので100%問題ないとはいいきれません。
なかでも、特に気をつけたいのが手術後の感染症です。
手術後は傷口からバイ菌が入らないように、指示通りに清潔を保ち、指定の目薬をしっかりつけるようにしなければなりません。

手術中、せきやくしゃみが出そうで心配です。
当医院では痛みがないように、点眼麻酔で手術を行っています。そのため、手術中は手術をしている医師と会話ができますし、体は自由に動かす事ができます。
一方で、手術は顕微鏡でとても細かい事をしますから、手術中はなるべく動かないようにしていただかなくてはならないのです。
ですから、咳やくしゃみがでそうになったら、なるべく出るまえに声を出して教えて下さい。とはいっても、いままでのところ、咳やくしゃみによって手術がうまくいかなくなったという事はありませんから、そんなに心配なさらなくてもいいと思います。

片方の目の手術をした後に、目が真っ赤になってしまいました。
目が真っ赤になった理由にはいろいろな事が考えられます。
もっとも気をつけなくてはならないのは、術後の眼内炎なのですが、通常、痛みを伴います。
この場合は一刻を争って処置が必要ですが非常にまれなケースです。
真っ赤になるほとんどの場合は傷口からの出血をさしている事が多いです。
水晶体を吸い取ったり、眼内レンズを入れるときの切り口からの出血が白目の周りにまわった事で赤くなっている場合は、1週間程度待っていればきれいになってきます。
この場合、通常痛みはありません。

他の病院で白内障の手術をしましたが、あまりよく見えません。
人間が物を見るときは、レンズだけが働いてみているわけではありません。
ものが見えるという事は、そこから出た光が、まず黒目を通過し、その後ろのレンズを通り、さらに眼球の中を通って、目の突き当たりにある光を感じる膜にあたります。
その光の情報が神経を伝わって脳で処理されて初めて映像として認識されます。
そのいずれも完全でなければ物はよく見る事ができません。
白内障の手術をしただけでよく見えない方は、担当の医師に見えない原因となるものが他に眼球にないかどうかを確認してみて下さい。

ときどき、黒いものが飛びますが、これも白内障のせいでしょうか。
これは、飛蚊症と呼ばれるものです。目は目玉といわれるように球状をしています。
白内障になるレンズはその球の前の方にありますが、そことは別に、球のなかの方に時々濁りが生じてしまう事があって、その濁りが見えたときに飛蚊症を自覚します。
ほとんどの場合は生理的なもの、特に治療の必要がない事が多いのですが、まれに、目の奥の方で出血や、穴があいていたりする事があるので、突然出てきたり、今まで見えていたものの数や量が増えた場合は眼科を受診して診察を受ける事をお勧めします。

手術をする事で、困る事はありますか。
現代の白内障の手術の弱点の一つとして、もともとある水晶体の調節能を再現できない点にあります。人間の目は水晶体の厚みを変える事で遠くや近くにピントを合わせる事ができています。
もっとも、お年を召してくると、その調節力が衰えてきてだれでも老眼になってくるので、通常は白内障になる年齢の方にその手術をしても、眼内レンズの調節能のない事が問題となる事はありません。
ただし、手術後は手術以前の屈折の状態と異なってきますから、ほとんどの場合、手術後に眼鏡の度数を調節しなおす事になります。

手術をしたら、二度と白内障にはなりませんか。
白内障で濁ったところ(水晶体)をとってしまったので、二回白内障になる事はありません。ただ、時々、水晶体が包まれていた薄い膜に濁りが出てくる事があります。
これを後発白内障と呼びます。
白内障と名前が似ているのですが、本体は全く違うものです。
これは、レーザーで処置する事で視力はまた手術直後の状態へ戻ります。
手術後数年経って、だんだん視力が低下してきたら、後発白内障の可能性もあるので、眼科の受診をお勧めします。

手術のときに入れる眼内レンズは一生使えますか。
はい。一生使えます。入れ替える事はまずありません。
まれに、かなり前に使用されたレンズで、レンズを「茶目」の前に入れているタイプがあります。これらの中で、目に不都合が出てきたときには「茶目」の後ろにレンズを入れなおす事があります。

眼内レンズが入らない事もあるのでしょうか。
ほとんどありません。
しかし、まれに、水晶体の支えが弱い人がいて、そのような方は通常の方法では眼内レンズが入らない事とがあります。
そんなときは、無理をせず、手術を二回にわけて、二回目に眼内レンズを入れる方法を取る事があります。

白内障の手術で近視が治るのですか。
治せます。
水晶体を取ったあとに入れる眼内レンズの度数(眼鏡のレンズの強さと同じ)をうまく選ぶ事で近視を治してしまう事ができます。
ただし、眼内レンズの度数の決定には目の長さの測定が必要となりますが、この検査の性質の問題で、どうしてもLASIK等の屈折矯正手術のような精度にはおよびません。
ですから、手術である程度近視を弱くしたら、あとは眼鏡で調整をしていく事となります。

右と左の手術がちょっと違ったようなのですが。
その前に、洋服を仕立てたりしたときに両手、両足の長さが少し違ったりする人をご存知ないでしょうか。
顔もよくよく見ると全く左右対称な人はいないはずです。
白内障も人により濁り方が違うように、右と左の目でも濁り方に違いが出てきます。
白内障の手術では、ロボットが自動車を組み立てるように通り一辺倒なやり方ではうまくいきません。洋服の仕立て屋サンのようにその目に合った濁りの取り方をして、その目にあった眼内レンズを選びます。
当然、左右の目でやり方が違ってきても不思議ではない事がおわかりいただけるでしょう。